忍者ブログ
Admin*Write*Comment
mindnote
[349]  [348]  [347]  [344]  [343]  [342]  [341]  [340]  [339]  [337]  [336
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

言い訳から入るスタイル。
本文原稿も無事に終わりました。表紙が先行入稿だったんですが入稿翌々日に脱字を見つけて焦って印刷所に連絡入れてみたところ既に刷り上がっていたという。…仕事早いですね。
わたしの産んだ脱字様のお陰でメンタル暫しぐだぐだだったので、そんなわたしをダイレクトに反映したようなぐだぐだな四人がいる新刊のサンプルを冒頭からほんの少し上げておきます。(一番下の本文サンプルをクリックで開きます)
悟浄と八戒と捲簾と天蓬しか出て来ない現代を想定したパラレルです。全年齢向け。嗜好と趣味の寄せ集めのような雰囲気一発勝負!正にやまなしおちなしいみなしなお話ですが、愛だけは注いだつもり!四人をいろんな組み合わせでわちゃわちゃ喋らせるのは楽しかったー。
内容についてはあまり触れずに置きますが言い訳の締めくくりに一言だけ。
気が付いたら軍ものになってた。
は?またかよ…
そんなの想定内じゃないですか
もういっそ軍人になれ
うちは間に合ってますよー
こんな感じの四人がぐだってます(どんな?!)

楽しい日曜日になりますように!

前記事のコピペ。

1月28日(日)COMICCITY東京141
東京ビッグサイト
東5ホールそ08a MindGame
新刊『逃水Journey』(悟浄と八戒、捲簾と天蓬の混合現代パラレル/全年齢対象)
A5版/44P
※既刊『夜間飛行。』(捲簾×天蓬&第一小隊)
※当日、同会場での、峰倉作品オンリー『PEAKS!!』にもこっそり末席で失礼しています。



拍手



草木も眠る丑三つ時。とはよく言うが、深夜二時の大都会ではそんな故事は死語に等しい。
灯りの絶えないビル群、その麓のネオン煌めく歓楽街。雑踏と歓声と車のエンジン音は人々の喜怒哀楽劇場の秀逸なBGMとなり、星の数程のドラマを盛り上げる一翼を担う。まさにこの時がゴールデンタイム。

そんな夜の街の底に一軒のバーがある。全面ガラス張りの高層商業施設ビルの地下一階にひっそりと看板を掲げ、一見のお客様大歓迎という雰囲気は皆無の、どちらかと言えば敷居が高く感じられる部類の店構えだ。
重厚な鉄の扉に間接照明で浮かび上がる店名は『MURDER』。こんな物騒な店名では流行るどころか危ない筋の店と疑われても仕方ないところだが、実際は一分の隙もなく堅気でごくごく普通のバーなのである。
扉を潜れば、落とした照明でセピア色に染め上げられた空間には静かに古のジャズが流れ、調度品は白木を基調にしたシンプルで質のいいものだ。控えめに言っても居心地という点では満点を付けても足りない店だろう。
この店のオーナーである悟浄は三十手前の若輩だ。常連客に恵まれているおかげで商売っ気を振翳すこともせず、根っからの道楽者である事も幸いして、酒を片手に見知った客人と日々ゆるりと野方図な夜を渡っていた。

本日この日、そのマーダーの扉にはクローズの札が掛けられている。
稼ぎ時の金曜の夜という言葉とは無縁な佇まいの店内には一人の常連客と店主の悟浄が気楽に向き合ってグラスを傾けていた。


「そういや、あの花、何? 何か祝い事か?」
カウンター席の真ん中に陣取った客は、丁度空になったグラスを持った手でカウンターの端に鎮座している大きな深紅の薔薇の花束を指差した。
「昨日、俺の誕生日でさ、あれは八戒がくれた」
「それはおめでとう」
「別に目出たくねぇわ」
「とりあえずおかわり」
手にしたグラスを振れば氷がカランと小さく音を立てる。そのグラスをカウンターの中から受け取って、悟浄は新しいグラスにラムハイボールを作り始めた。
「捲簾さぁ、八戒にちょっかい出すのやめない?」
「なんの話だ?」
「『おまえとは昔出逢ってるよな、何処でだっけ? 覚えてる?』…ってなんだそりゃ」
「ああ、それな」
「…口説き方、古くせえし」
「古今東西、口説き文句に古いも新しいもねえの」
「使い古され過ぎて口説いてるのかもわかりづれえってゆーか。つか、そもそも口説く必要なくね?」
「目の前に美人さんがいたら礼儀として口説くだろ」
「いや、だからさ」
「本命じゃないからいくらでも口説けるし」
「今、さらりと下衆発言したよな?」
「んー、まあ、自覚が無いこともない」
「ほんとタチ悪ぃな…」
悟浄は酒を差し出しながら溜息を吐いた。本日五杯目となるそのグラスに浮かぶ丸い氷には、細かな炭酸の泡がまとわりついている。
「誕生日だったなら祝いに一杯奢ってやろうか」
「お、マジで? じゃあ遠慮なく」
そう言われて悟浄は手近にあったグラスに栓の開いたラム酒を並々注いで、いただきます、と微笑んだ。
「…ストレートかよ、本当に遠慮のない奴」
「捲簾相手に遠慮とか今更〜」
カウンターを挟んで向かい合う捲簾もグラスをカチリと合わせるとつられるように笑った。
捲簾はこの店の常連でかつ上顧客だ。フリーのカメラマンを生業にしていて一年のうちの半分以上は海外を飛び回っているらしい。海外と言っても主に紛争地域を回り、戦場で人物を撮ることが好きだと公言もしている。
そんな捲簾が悟浄の店にふらりと現れたのは二年前の事だった。知人に聞いて、と言っていたがその知人が誰なのかは未だに聞いた事は無い。悟浄より少々年上で(正確に年齢も尋ねたことはないが)ノリも近くて話しやすく初対面から会話も弾み、何がどうとは言えないが、互いに同族的な匂いを嗅ぎ分け意気投合は一瞬だった。酒の話、女の話、そして仕事の話。嗜好はとても近く時に重なることもあるが、その度に悟浄は俺はこんなに下衆じゃねえけどな、と胸の中で罵倒を付け加えながらも、反面捲簾へのリスペクトも全く無い訳ではなかった。年上として、人生経験においてという部分で。
捲簾が渡航先の土産を片手にふらりとこの店に現れれば、悟浄は決まって店にクローズの看板を下げる、それくらいの付き合いではある。
「ところで悟浄。紅い薔薇の花言葉知ってるか?」
「…あんまり知りたくない」
「『あなたを愛します』」
「…ふぅん」
「俺にちょっかい出すなと言うのはそういう意味か」
「……は?」
「あれは俺のもんです、的な?」
「いや、その、そういう事じゃねーんだけど」
「じゃあ何?」
「捲簾が適当にちょいちょい口説くもんだから、そういう態度に感化されたんじゃねぇかと思ってさぁ」
感化された矛先が捲簾に向くというのなら話は単純だが現状は少し違う。
「あんたの流れ弾を食らった気分なんだわ」
「悪い、全く話が見えねえ」
「俺…、八戒に告られたっぽい」
悟浄は薔薇の花束を一瞥すると、グラスを口元に運び勢いをつけて一気に煽った。ストレートのラム酒は151プルーフ。普通ならこんな飲み方、酩酊に一直線ダイブだ。
「おい、気は確かか?」
「あー…旨いけど、喉焼けてる…。気なんか確かだし正気も正気よ」
いくら商売柄酒に強いとは言え、酒に失礼な上に褒められた飲み方ではない。
「俺は酒の話をだな…」
「なぁ、八戒って花言葉とか知ってると思う?」
「知らないと思うか?」
「だよな…」
二人の会話に出てくる八戒とは悟浄の同級の友人で、同じビルの最上階で整形外科のクリニックを開いている医師だ。悟浄に言わせると、大親友で幼少のみぎりからの連れということになっている。人当たりも頭も良くついでに顔も素晴らしく整っており一見しただけでは、見識も広い常識人という印象が強いのだが、印象が強いだけで旧知の仲にとっては実際、
「…わけわかんねえ」
これが本音だった。

ーーーーーーーーーー


PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メール
URL
コメント
文字色
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret
  • ABOUT
極めて灰色な日々
  • カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
  • 最新コメント
[07/21 ゆず]
[06/17 某姐]
[05/16 某・連れ込み料理屋店主]
[05/11 某姐]
[04/21 桐原祥]
  • プロフィール
HN:
seiya
HP:
性別:
女性
趣味:
妄想
  • バーコード
  • フリーエリア
Copyright © mindnote All Rights Reserved.*Powered by NinjaBlog
Graphics By R-C free web graphics*material by 工房たま素材館*Template by Kaie
忍者ブログ [PR]