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季節柄やっぱり桜だよねー!とネイルを桜にしてもらったんですが、これが何というか、演歌臭しかしない上にほんのり極道っぽいと言われ、若干沈んでいたんですけどね、ですけどね!演歌で桜と言えば坂本冬美さんの夜桜お七を筆頭に思い出すんですが坂本冬美さんが格好良いのはよくよくわかっているんですでも凄い事に高見沢さんも歌っておられるのですよこれ!…驚き過ぎて息継ぎを忘れました。そして高見沢氏の夜桜お七は当然の如く超絶ロックでした!何と言う格好良さ。私の夜桜ネイルもロックだった!→よし上がった!気分が!
夜桜、ロック、外伝。
これ実はもう長い事私の捲天における妄想の三種の神器なのです。

さて唐突ではありますが、この度3月20日のHARU COMIC CITY 22に最遊記外伝でスペースを取らせて頂いております。東7ホール東H13b MindGame です。
何をとち狂ったか新刊が出てしまいます。

(↑サムネイルは何故か色が反転してますがクリックすると本来の色になる模様)
夜間飛行。
新書判/72P/700円
最遊記外伝 捲天+第一小隊
…という感じですが、捲天というのは詐欺だろう、というくらい第一小隊メインで健全です。健全です!健全なんですが捲天なんですそういう心意気で書きました、という代物ですが、もしよろしければお立寄り頂けましたら幸いです。
下記、続きはこちら、から少しだけ新刊を抜粋しています。抜きどころが難しくて困り果てた結果、雰囲気だけでもと思い冒頭を上げさせていただきました。



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その日も、西方軍第一小隊の下界での戦闘は滞り無くいつも通りだった。
最後の銃声を轟かせたのは天蓬元帥で、命中を見た捲簾大将は軽く口笛を鳴らし戦闘終了を告げた。以下、小隊の面々は標的の封印にあたり下界への帰還準備を始める中、通信任務を取り仕切る永繕が無線を開き任務完了と現状報告を上げていたその時。

『はぁ?元帥が行方不明?何言ってんだおまえ』
「だから言葉通りですよ、現状に於いて行方は不明なんです」
『言葉の意味は聞いてねえ!何で行方不明になったのかって話!探せよ!」
「ああ…もう、無線越しに耳元で喚かないでくださいよ陸央」
何で行方不明になったかと聞かれても明確な答えを用意出来ない上に探せというのも無理難題だと思いながら永繕は溜息を吐いた。
「任務は完了していますし負傷者もいませんので、これより帰還ルーティンに入ろうと思いますが」
『元帥はどーすんだ!』
見上げた先には下界の青い空。快晴は、凍てつくような青だと思った。
ひと仕事終えたばかりの上気した身体に容赦なく挿し込む寒気に永繕はぶるり、小さく身震いして襟を掴む。下界ではそろそろ小寒という節気だ。そんな言葉が自然に思い浮かぶ程度には下界の風習や文化が身に馴染んでしまっていて、無縁だったであろう寒いという感覚にも随分と慣れてしまっている。
「それもこれも、元を辿れば行き当たりはあの人なんですよね…」
そうひとりごちた小声は下界の寒風に攫われ遠く次空の彼方にいる同僚の耳に拾われることはなかった。陸央は依然声を荒げている。
『おい!おまえ人の言う事聞けよ!元帥置き去りにして帰還とかねえからな!』
陸央の言っていることも一理、無い事は無い。…否、無いな、皆無だ。だって、置き去りにしているのがどちらかなんて章章としているだろうに。
『俺は、おまえが、なんで、そんなに、落ち着き払っていられるのか、わかりま、せん、が!』
いちいち文節に区切ってまで声を荒げる陸央の言い草に、ついにちょっと可笑しくなってしまって永繕の口元から笑いが漏れた。当然無線の向こうは更にヒートアップだ。
『笑うとこ?ここ笑うとこじゃねえよな永繕、おまえ、ほんと、何なの!』
激昂へと駆け上がってゆく陸央の声色に永繕はふと、とある事に今更に思い当たった。そうか、あれは止め句だった。陸央はただ見えない戦況下で行方不明と報じられた上官の身の上を案じて感情的になっているだけじゃない。本当に今更だがこれは失策だった。
「陸央」
努めて静かに。
「繰り返しますが、任務は無事完遂。負傷者はゼロ。天蓬元帥もご無事です。任務後、個人的事由に寄って休暇を取られ自ら行方不明になられました。僕たち下っ端が上官殿の休暇に声を荒げる筋合いはないでしょう?心配は無用です。それと陸央、貴方、通信係には向きませんね…是非にもこれきりに」
『…っせーな、んなこと自分でも分かってんの!好きでこうなったわけじゃねえし!』
「それでも自業自得でしょうに」
数日前、軍事演習という名の元に行われた野球の試合中、陸央は若干無謀な本塁への走塁で見事にサヨナラ劇を決めたのだが同時に見事に利き足を捻挫した。本来ならば下界への出陣で先頭を切って飛び出して行く斬り込み隊長は不本意ながら今回はお留守番組で慣れない通信係を拝命する事となったわけだが。
『元帥が無事で休暇ならまずそれを言えっつーんだよ、ったく紛らわしい…』
「顔が見えないというのも案外厄介ですね。静かでいいと思っていたのに、居ないくせにいつもより煩いとか」
『行方不明なんて言うからだろ』
「…はい、言葉選びを間違えました。すみませんでした」
『…あ、いや、まあ、ええと…、…おまえが素直に謝ると逆に怖えから…』
「何の逆ですか?」
『そこ突っ込まなくてもよくね?』
「では、素直だと怖いとは一体…」
『そこは額面通り受け取っておけよ』
これはもしや失礼を働かれているのではと思いはしたものの、陸央の声の纏っている空気がいつも通りに戻っている事に永繕は肩の力が少し抜けて、これなら幾らか反撃しても問題なかろうか反撃した方がそれこそいつも通りだろうかと口を開きかけた時、
「永繕、ちょっと無線貸せ」
ふいに背後から軍大将の声がかかり有無なく無線機を取り上げられた。
「よう陸央。おまえが下手踏んだせいで代わりにつけを払うはめになった軍大将と以下面々への慰労はどうした。それも無しにご執心の元帥閣下を笠に着て公共電波で堂々と痴話喧嘩とはいいご身分じぇねえか。四の五の言わずゲート開けろ!五分だ、いいな!」
永繕から奪い取った通信機に向かって徐々にテンションを上げながら一息に吠えた曰く軍大将は、聞く耳というものを一切発動することなく持ち主に投げ返して来る。電源は非情にもさっくり落とされ、天界でさぞ慌てふためいているであろう通信係の醜態も言い訳も電波と仲良くシャットダウン。
「帰還するぞ」
「あ、はい。あの、捲簾大将」
「何だ」
どこから聞いていただろうか。隊を少し離れた風通しのいい小高い丘を見つけて一服していたはず。
「まず、自分の保身の為に申し上げますが、痴話喧嘩ではありません」
「…は?」
「少々聞き捨てならなかったので。申し訳ありません。迅速に帰還指示を出さなかった自分にも非がありますので、合わせてそれも申し訳ありませんでした」
「何を言いだすかと思えば…。おまえも、誰かさんに似て変なとこだいぶ面倒臭えなぁ」
くつくつと笑いながら捲簾が頭を下げた永繕に顔を近づける。
「五分でゲートが開かなかったら陸央の利き足踏み潰せ。俺が許可する、っつーか、大将命令な、これ」
「…了解しました」

(夜間飛行。より抜粋)

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